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長引く咳 胃食道逆流症かも? 胃酸、胆汁が食道へ

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

【2007年2月12日】

長引く咳:胃食道逆流症かも? 胃酸、胆汁が食道へ----加齢、肥満、食生活が原因

 「胃食道逆流症」(GERD)は、げっぷなどの空気や胃酸、胆汁が胃から食道に逆流する病気だ。消化器の病気でありながら、慢性的な咳(せき)など、呼吸器に症状が出ることがある。医師の理解はまだ十分ではなく、患者の中には発見が遅れて重症化するケースもある。病気を知り、診断の際に的確に医師に症状を伝えることが治療への近道だ。GERDの症状や治療法を紹介する。【望月麻紀】

 GERDの典型的な症状は胸焼けだが、のどの違和感、咳、中耳炎などの症状が出ることもある。

 逆流が起こる原因の一つが加齢。下部食道の筋肉の締まりが悪くなるなどして逆流が起こりやすくなる。肥満や衣類の締め付けで腹圧が高い▽脂肪や刺激物の多い食生活で胃酸が多い▽食べ過ぎ▽姿勢が悪い----なども原因になることから、生活習慣病とも言われる。

 そのため治療には胃酸の分泌を抑える薬の服用と同時に、生活習慣の改善が求められる。再発もしやすいので長期的な注意が必要だ。

 胃から食道への逆流によって呼吸器に症状が出る仕組みはいまだに分かっていない。逆流でのどの奥に炎症が起こる「直接障害説」と、逆流で神経が刺激を受けて咳などが出る「反射説」が主な2説だが、いずれも確認されてはいない。

◇ぜんそくと併発も----胃酸を抑える薬で改善

 米国の研究では、GERDは慢性的な咳「慢性咳嗽(がいそう)」の3大原因疾患の一つに挙げられている。

 専門医で作る日本咳嗽研究会によると、日本の慢性咳嗽の3大原因疾患は、副鼻腔(びくう)気管支症候群、アトピー咳嗽、咳ぜんそく。だが、たんが少ない乾いた咳に限れば、GERDが原因疾患の割合は0・5-14%に上るとの報告がある。

 しかも成人に限らない。慈恵医大青戸病院小児科の青田明子医師は05年10月-06年9月の間に入院した中等症以上の気管支ぜんそく患者15人(平均年齢2歳)に対し、食道下部の酸性度を計測するなどしたところ、4人がGERDを併発していた。

 併発している場合、ぜんそく症状が重症化するだけでなく、ぜんそくの発作時に逆流が起きるとも考えられている。この悪循環で、咳が重症化しやすい。青田医師は「小児気管支ぜんそく患者でもGERDの合併頻度が高いことが確認された。診察の際、念頭においておくことが必要だ」と話す。

 診断には、内視鏡検査で食道の炎症を調べたり、鼻から通した細いセンサーで食道下部の酸性度を24時間計測したりする。胸焼けなどの自覚症状がありながら、内視鏡検査では炎症が見つからない「非びらん性胃食道逆流症」も多い。日本咳嗽研究会代表世話人の金沢大病院呼吸器内科、藤村政樹助教授は「医師の理解も十分ではない」と指摘する。

 こんな例がある。東京都内の半蔵門病院アレルギー・呼吸器内科の灰田美知子医師は、ぜんそくの発作を抑制するための主治医の服薬指導を守っていながら、咳で夜も眠れない中学3年の女子生徒を診察した。「(指示通り)気管支拡張剤を飲むと、むしろ咳が出る」という患者の訴えからGERDを疑い、胃酸を抑える薬を処方したところ改善した。灰田医師は「受験勉強で夜食を食べる生活習慣も影響していたようだ」とみる。

 また慢性咳嗽で別の病院に入院していた30代男性の場合、一度はGERDを疑われて内視鏡検査を受けたものの、非びらん性で確定診断されず、十分な投薬が受けられないまま5カ月入院していた。半蔵門病院でGERDと診断され、職場復帰も果たしたという。

◇医師と患者、情報共有を

 灰田医師は、GERDを見逃さないよう、初診の患者に「Fスケール問診票」を渡し、GERDの可能性を最初に調べている。

 この問診票は、群馬大病院光学医療診療部の草野元康助教授が作成した。米国で作られた問診票が治療効果の判定に使いにくいなどの課題もあり、独自に作成した。

 内視鏡検査で炎症が確認されたGERD患者124人に、主な消化器の症状や「夜眠れるか」など50項目について有無を尋ね、最多回答12項目を選んだ。それぞれの症状の頻度を点数化して、合計点数が一定以上の場合、GERDが疑われる。

 内視鏡検査や食道の酸性度測定で診断をつけるまでには時間も手間もかかる。このため、日本咳嗽研究会は01年「あまい診断基準」を策定。一定条件を満たせば、とりあえず胃酸を抑制する薬を処方する方法を示した。

 藤村助教授は「医者も患者も情報を共有することが必要」と言う。研究会はホームページで医師向けにGERDなど慢性咳嗽の原因疾患の診断基準と治療法を紹介

し、一般にも原因疾患の一覧を公開。「長引く咳の原因が表にあるはず」と、表を持参して医療機関を受診するよう勧めている。

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 ◆胃食道逆流症の主な症状◆

 (1)胸焼けがする

 (2)おなかがはることがある

 (3)食事をした後に胃が重苦しい(もたれる)ことがある

 (4)思わず手のひらで胸をこすってしまうことがある

 (5)食べたあと気持ちが悪くなることがある

 (6)食後に胸焼けがおこる

 (7)のどの違和感(ヒリヒリ)などがある

 (8)食事の途中で満腹になってしまう

 (9)ものを飲み込むと、つかえることがある

(10)苦い水(胃酸)が上がってくることがある

(11)げっぷがよく出る

(12)前かがみをすると胸焼けがする

 ※「Fスケール問診票」から抜粋

 
 
 
 
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